2015年06月


    国会に呼ばれる程の偉い憲法学者の方々が、口をそろえて言われるのですから、「集団的自衛権は憲法違反」だということは間違いありません。

 私が弁護士になった30年前には、殆どの憲法のテキストに、「自衛隊は憲法違反だ」と書かれていました。しかし、今、自衛隊そのものが憲法違反だという議論は聞かれなくなりました。

 集団的自衛権も、10年もすれば同じようになるはずだというのが、安倍首相の考えなのでしょう。

 日本人の性格なのでしょうか、憲法の文言(言葉そのもの)が変わってしまうことには強い抵抗感があるのですが、憲法の意味が変わってしまうことにはそれ程抵抗感はないようです。

 これは、非常にまずいでしょう。憲法のどの条文をどう変えるかよりも、一度、国民投票を経験することが必要だと言うことは正しいと思います。

  昨日、村山富市さんと河野洋平さんの両氏が記者会見をしてお互いの談話を賞賛し合っておられましたが、両氏それぞれの談話を出す前の史実調査は非常に頼りないものだったということです。

 頭を下げて丸く収めるという日本的美徳は、個人の立場でされるのは結構ですが、国を代表して頭を下げるのであれば、史実調査をとことんやってからでないと、それは、国民に対して極めて不誠実だと思います。

    理化学研究所の調査では、STAP細胞はなかったということで決着が付きました。

   あるといっていた小保方さんの説明は虚偽だったということです。

   最初のSTAP現象として会見で説明に使われたのはES細胞だということも結論づけられました。


   STAP現象として説明されたES細胞の数量からして、誤って混入したものではなく、誰かが意図的に混入させたものであるというのも理化学研究所の結論です。


   結論が出なかったのは、誰が混入させたかは理化学研究所の調査では断定できないということだけです。


 ここまで明らかになれば、通常の事件であれば起訴されて有罪判決が出ます。何故起訴しないのでしょう。


  社会的影響が非常に大きいから、捜査機関が独自に捜査して起訴することは、政治的判断としてしないのでしょう。

   理化学研究所が告訴すれば有罪判決まで一気にいってしまうのでしょうが、告訴しません。

   告訴すれば笹井先生の自殺の背景まで明らかになってしまうので、そのことは避けたいのでしょう。そのほかにも理化学研究所にとって都合の悪いことがあるのかも知れません。


  関係者個人の告発しかないかと思っていましたが、そのとおりになりました。

   今後の捜査は、その告発した人の重さによって決まるのでしょうが、本来、理化学研究所が告訴すべきなのです。

   理化学研究所の調査結果からすれば告訴しない方がおかしいはずです。刑事告訴は被告訴人不詳であっても可能なのです。

   ここに至ったことの不祥事よりも、かかる不祥事を闇に葬ろうという隠蔽体質の方が、格段に不祥事であって、日本の国際的信頼を損なうものだから告訴すべきなのです。

   全ての努力をして真相を解明して欲しいものです。

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